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2日間、7時間の長考の末に…。加藤一二三氏がたどり着いた「勝負手」の奇跡

加藤一二三さん9月毎日更新 Q3. 「じっくり考えること」のメリットは何ですか?

7時間の長考の末にたどり着いた勝負手

 2日制のときは、翌日の午前9時から対局が再開されます。再開後、盤の前に座って2時間近くまた考えていました。前の日に約5時間、2日目に約2時間、計7時間近く考えていた時に、ついにひらめいたんですよ。

 44銀同金62歩という手ですが、これをひらめいたときには「やった!」と思いましたね。「やっぱり手はあったんだ!」と。その後、私は優勢になって勝負に勝ちました。

 一手に7時間かけて勝つ、私はその経験からあることを悟りました。それが「将棋というものは深い」ということ。その一戦まで将棋に対して「深い」と思う経験はなかったのですが、7時間もの大長考の末に勝利を決定づける決め手を見つけた経験から「将棋というものは深い」と確信したんですね。

 私はいつもこういう風に言います、「将棋というものは楽しくて、面白くて、しかも深い」。将棋というものは指していて、楽しくて面白いだけじゃない。深いのです。私はこのことを胸を張って言えますね。

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